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乾睦子の玉虫色日記

日本が面倒なのは,きめ細やかだからか

2つ前の記事に,日本での「入園入学準備事項がフランスの場合よりも多い」と書いた(それが私がガイジンだったからかもしれない,とも一応書いてみたけど,実際には本当にフランスがラクだった可能性が高いと思う).ま,その辺のところをだーっとこなしたこの3月.

ふと,この面倒くささは,実は日本的な便利さの裏返しなのかもしれないなー,と感じた.

面倒くさいのは何かっていうと,準備するモノが細々指定されているとか.同じような書類をたくさん書かなきゃいけないとか.事前に説明会に出なきゃいけないとか.そんなようなことだ.

で,たとえば学童保育の説明会に出てみると,これまた説明がすんごく丁寧でさ,ああいう場合はこう,こういう場合はこう,と懇切丁寧に説明されていくんだけど.その説明の端々に出てくる言葉に,私は結構驚いた.

曰く,「担当者に渡してください.いなければ他の先生に渡してもいいです」.曰く,「連絡をください.担当者がいなければ別の誰かに伝えてください」.

別の誰でもいいの?マジで?

フランスで,担当者以外の人に何か伝えちゃったら,不安で仕方なかったと思うよ.本当に伝えてくれたかどうか後から確認する必要があると思うし,何か起きたら,確認しなかった方が悪いってなると思う.そんな雰囲気だった.

それで私は,日本でいろんな手続きが面倒になっちゃう理由が分かったような気がした.誰でもが対応できるようにしておくためには,それなりに無駄な書類が発生するしねー.日本はいろんなところで「話が早い」世の中だけど,それは「誰に伝えても大丈夫」だということで,それの代償がこれなんだな,と.

ちなみにフランスではいろんな手続きに書類がたくさん必要.書類,書類,書類だよと,フランス人達が文句を言っている.でも,その必要書類の中身は,「自分で自分のことを証明する」ための書類が多かったよ.たとえば住民票というものがないから,ある住所に本当に住んでいることを何か別の手段で証明しなければならない(賃貸契約書とか,電気代の領収書とか).それって,日本みたいに同じような書類をいくつも書かねばならない,というのとはちょっと質が違う.

日本では,書類を丁寧に取っておく,持ち物をあれこれ指定する,そのことで,先生の一存で決める部分を減らす,担当者が休んじゃうとどうにもならないという状況を減らす,そういう方向を向いてるんだろうなぁ.

フランスでは,担当者が臨機応変に対応してくれ,書類が少なくて済む代わりに,担当者が休んじゃうとどうにもならなくなる.そこは皆が諦める.

それの極端な延長が,フランス名物のストライキだったり?ストライキ=迷惑,という価値観が強ければ,ストをすること自体が不利に働くはずで,そしたら長い目で見てストは減ってもいい(日本の例?)だよね?いまだにストライキがふつうにあるってことは,やはり皆がそれを権利として認め,諦めてるってことだよね?

とにかく,フランスにおいてはガイジンであり,日本では(少しは)空気読める私.逆じゃなくて良かったなー,というのが最近の強い思いである.日本のこのきめ細やかさをガイジンとして切り抜けるのはものすごく大変だったと思うわー.

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by inui56 | 2010-03-31 23:52 | 暮らし

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