乾睦子の玉虫色日記

「青いガーネットの秘密」読了

青いガーネットの秘密―“シャーロック・ホームズ”で語られなかった未知の宝石の正体

奥山 康子 / 誠文堂新光社



ずっと前に買って読了したつもりでいたんだけど,最近手に取ってパラパラ見たら,まったく覚えてない・・・実は読み終わってなかったらしい・・・というわけでやっと読了しました.

シャーロック・ホームズ・シリーズの短編のひとつに出てくる「青いガーネット」.でもガーネットで青いのなんてあるの?という導入から,鉱物の世界を広く深く探検していく本.

鉱物の色づくメカニズムを紹介する章,いろんな色の天然ザクロ石を紹介する章,ザクロ石を手掛かりに地球を研究する人々を紹介する章,それぞれが1冊ずつの本になりそうにバラエティに富んだ内容で素晴らしいです.逆に1冊の本になっちゃってるのが敷居を高くしていてもったいない,くらいの気がした.

地の文は平易に書かれていて,でも専門的な説明がまだらに織り込まれている.こういうあたりをこれから学びたい人には,こんな分野があるんだな,ととても面白く読めるのではないかと思う.

マニアックな知識をたくさん持っている人に飲み会で話を聞くととても面白い,というのあるでしょう?この本の楽しさはそんな感じ.専門家しか知らない知識に,著者独自の見方のフィルター通して触れさせてもらっているというような.

著者をマニアと呼んでは失礼だけど,一度国際学会の巡検でご一緒させていただいた時の印象も,知識があふれ出てきて私にはついていけない的な印象だった.その辺を合わせて読むと,例えば下のような文がさらに楽しいわけです.

しかしこれでいいのだろうか? 何だか府に落ちなくはないだろうか?
なぜなら、話の鍵になる青い宝石の素性が知れないから。(p.13 )
いや・・・そこ気にする人ほとんどいないと思います・・・

太陽光を忘れた現代に生きること、これがアルマンディンの憂鬱の最たるものであろう。(p.88)
鉱物の心理,いや哲学?まで推し量るという共感の深さは・・・
たとえば鉱物がいる・いないくらいの表現は学生も私も日常的にする.鉱物がある条件になるとどうしたくなるかというような考えは私もする.でもこの域は擬人化を超えてます,先生・・・

この本は、アルマンディン・ガーネットの友情への返礼でもある。(p.231)
私もガーネットに恩義は感じている.でもそれでは足りなかったのだ.精進してガーネットとの友情を感じ取れるくらいにならないといけなかった.はい,頑張ります.

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by inui56 | 2010-09-10 06:24 |

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